4月7日 今年のフィールド活動は、昨年同様の兵庫・東播磨の里山から始める。天気図は弱い冬型の気圧配置、午前中は雲が多いものの昼からは晴れるとの予報を信じて東播磨に向う。9時に現地着、風が冷たく気温も低い上に、雲が多く日差しが少ない。車中で1時間待機、青空の広がりにあわせて小山のピークに向う。ヒサカキの芳香が強い。幼少の頃から、この花の香りが漂うと春になったと感じていただけに心が躍る。ピークも空気は冷たく、コバノミツバツツジもほとんど蕾であり季節の進展が相当遅れているようだ。しかし晴れ間が続くと蝶が飛び始める。ルリシジミ、ミヤマセセリ、ナミアゲハと新生蝶が続く。普通種であってもシーズン最初に新生蝶に会うのは嬉しいものである。ルリシジミとナミアゲハはピークでテリ張りと追尾飛行を繰り返す。ミヤマセセリは地面すれすれを跳ねるように飛び回る。まさに春の風景であるが、いずれも数は少なく、ヒオドシチョウなどの越冬タテハは姿を見せない。そしてお目当てのギフチョウも姿を見せない。昼前に下山し、昨年ギフチョウを撮影した発生地に向う。途中ようやくテングチョウが現れる。この頃から天気予報とはうらはらに厚い雲がベッタリと広がりだす。あろうことか発生地に到着する頃にはすっかり曇ってしまった。発生地の林床では新芽の季節を迎えたヒメカンアオイがビッシリと生えている。くまなく歩き回るが、クヌギにとまる羽化直後と思われるイボタガを見つけただけ。この後、
但馬の蝶・播磨の蝶のTさんと合流してもう一箇所廻るが、状況は全く同じでギフチョウは未発生のようである。そういえば桜も咲いていない。結局1年ぶりのギフチョウとの再会は叶わなかったが、子供の頃から慣れ親しんだ東播磨の里山を満喫できた一日であった。最終便で札幌に帰ると雪!これには気がめいる。いつになったら春がくるのだろうか?
(各画像はクリックすると拡大表示します)
ルリシジミ ピークでテリ張りと追尾飛行を繰り返す。美しい瑠璃色を見せてくれる。↓
ミヤマセセリ まだ数は少ない。晴れ間が続くと飛び回るが、太陽が隠れるととたんに姿を消す。↓
ナミアゲハ ピークで日光浴する。↓
テングチョウ 1頭だけ見かけた。枯れ葉の多い林道で開翅すると見つけにくい。↓
コバノミツバツツジ 咲いていたのはこの木だけ。例年なら多くの木で花をつけているのだが・・。↓
ヒメカンアオイ お馴染み、当地方でのギフチョウの食草である。ヒメカンアオイも新芽の季節。↓
イボタガ 芽吹きが始まったイボタの小木横のクヌギにとまっていた。なんとも複雑怪奇な紋様である。↓