ぶらり探蝶記

夏休みの終わりに

8月17日 愛知・長野県境の高標高地を訪ねる。避暑を兼ねて、日帰り温泉入浴が主目的。蝶はクロコムラサキの綺麗な個体や山頂のヒヨドリバナに舞うアサギマダラが撮れたらいいなくらいで、ポイントも定めず茶臼山に到着。下界とは違い、日陰では本当に涼しい。萩太郎山頂のヒヨドリバナ群落にアサギマダラの姿なく、わずかに林縁を舞う2個体を見るのみ。山頂では、キアゲハ、ウラナミシジミ、ツマグロヒョウモンが元気にテリを張っていた。乾いた地面に止まるクロコムラサキ♀を見つけるが、カメラを構えたとたんに飛び去る。ちょっとした林道に入っても蝶の種類も数も少なかった。長野県側に下り、売木川で鮎の縄張り行動を観察する。背びれ長く二重追星のばりばりの縄張り鮎が、侵入する鮎を激しく追い払う。こんな光景を目の当たりにすると、鮎釣り師としての血が騒ぎ出す。蝶の撮影を始めてからは、この季節はこれにかかりっきりで鮎釣りから遠ざかってしまった。雪崩落ちる緑の中、瀬に立ちこんで目印と穂先から伝わるおとり鮎の動きに集中する。あれほど聞こえていた瀬音やセミ時雨や鳥のさえずりなど、一切が耳に入らなくなって自然の中に溶け込んでいく自分を感じる。その感覚がふつふつと蘇ってくる。釣れても釣れなくても至福の時である。鮎釣りをしなくても、蝶にあえなくても満足、なんかそのような感覚を覚えた真夏の昼下がりであった。 (各画像はクリックすると拡大表示します)


キアゲハ  標高1300mの山頂で、南信の山々とその奥にそびえる南アルプスに向かってテリを張る。↓
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ヒカゲチョウ  これは数日前、クヌギの樹液酒場にきていたもの。↓
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ムラサキシジミ  雑木林の中に多くの本種が休んでいる。これも数日前、ヒカゲチョウと同じ場所で。↓
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樹液酒場  ケシキスイとヨツボシケシキスイが見える。他にいたのはノコギリクワガタとコクワガタ、カナブンなどの常連達。蝶はサトキマダラヒケゲが立ち寄っていただけであった。↓
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コケ(藻)の状態がいい石を占有する縄張り鮎。黄色の二重追星も鮮やか、やるき満々である。ひとたびライバルが侵入すると、長い背びれを戦旗のようにはためかせ、猛烈に追い払う。↓
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by temenos | 2013-08-20 22:11 | 2013年 | Comments(2)
Commented by otto-N at 2013-08-28 20:41 x
17日は、この2倍の標高の山でテリを張るキアゲハを撮っていました。このときは別のサプライズがありましたが、登山すると、決まって山頂にいるこの番人を撮ることにしています。冒頭の文章、達観した境地に少し負け惜しみが感じられ、とても好きです。最近、教えられて訪ねたポイントに何もいなくても、現場を見ただけで妙に納得できることが多くなりました。
Commented by temenos at 2013-09-01 22:17
otto-Nさん、アルプスの山頂でのキアゲハの飛翔写真は素晴らしかったです。槍バックなんか感涙ものですね。さて、蝶の写真も撮れないよりは撮れたほうがいいし、釣りも釣れないよりは釣れたほうが・・・。本心は撮りたいし釣りたいのです、バレバレですね。でも、最近は相手は自然、流れに逆らわないようにと思えることも多くなりました。