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ぶらり探蝶記

蝶のいる風景~春・初夏~

自然の中にいる自然の蝶、これが一番美しい。そう思って、これまで数多くの写真を撮影してきた。蝶そのものを美しく撮影するにはマクロや望遠が重宝する。しかし、何処で撮っても同じような写真になってしまうのが欠点であろうか。四季折々の情景や人の生活の中にいる蝶を臨場感を持って撮影していきたいと最近強く感じるようになってきた。そこで、これまで撮影してきた広角写真を季節毎に若干の思い出の解説も加えながら振り返ってみたい。


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5月、遅い春が北国にも訪れた。残雪の山を背景にフキノトウで吸蜜するヒメギフチョウ。
(2011年5月 北海道)


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北海道の春は一気に訪れ、林床はカタクリやエゾエンゴサクの絨毯でおおわれる。
青紫のエゾエンゴサクで吸蜜するヒメギフ、北海道らしい情景である。
(2011年5月 北海道)


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雪崩れるような若葉緑の中、優雅にウスバシロチョウが舞う。晩春の好きな一コマである。
そのような里山の梅林で求愛するウスバシロチョウを見つけた。求愛から交尾までは一瞬であった。
(2013年5月 岐阜県)


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奥山の渓谷、鮮やかなミヤマカラスアゲハが飛び交うなか、ひっそりと産卵行動をとっているトラフシジミを見つけた。
(2015年5月 岐阜県)


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放蝶由来の外来種であるホソオチョウ。ジャコウアゲハと本種は同じ場所で共存している。春、ウマノスズクサの新芽が沢山ある河川敷で山々を背景に休む♀。
(2013年4月 岐阜県)


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北海道の固有種ジョウザンシジミは、キリンソウの生える崖沿いをチラチラ飛ぶ。いったん日が陰ると直ぐに休止し、動かなくなる。生息地の雰囲気を上手く写し撮ることができた。
(2012年5月 北海道)


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太平洋に面した独立峰の稜線が生息地であるが、そこは絶景の地でもある。また、この山には固有種の高山植物も多い。その稜線で固有種のアポイアズマギクから吸蜜するヒメチャマダラセセリ。
(2012年5月 北海道)


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初夏の残照を浴びて休止するヒメヒカゲ。生息する湿地帯脇の雑木林ではアカシジミが飛び始める時間。夕方と生息地の雰囲気を感じてほしい。
(2012年6月 兵庫県)


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ゲンジボタルが飛び交う里山の清流脇のウツギで吸蜜するオオミスジ。
どうってことはない写真なのだが、結構お気に入りの一枚となっている。
(2013年6月 岐阜県)


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峡谷の狭い範囲の生息地。梅雨空の合間V字開翅するアサマシジミ。
たくさんの亜種があるが、これは西限のハクサンシジミ。
(2013年6月 石川県)


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水田や農家の家屋脇に稲架木(はざぎ)として植えられているデワノトネリコで発生している里の蝶。デワノトネリコの葉上から水田を見下ろすチョウセンアカシジミ。
(2015年6月 新潟県)


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梅雨空の背景、まだ朝露で濡れるナラガシワ林の下草に静止するヒロオビミドリシジミ。
日光がさすと、金緑色の素晴らしい翅表を披露してくれる。
(2012年6月 兵庫県)


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初夏とはいえ、まだまだ気温が低い北海道。大雪山麓の林道脇で多くの本種が素早く飛び交う。
北海道の初夏の清々しい空気の中で交尾するカラフトタカネキマダラセセリ。
(2011年6月 北海道)


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農家や畑脇のスモモで発生することが多い里山の蝶であるが、なかなか発見しずらい蝶でもある。早朝、スモモの木をゆすると、スモモの木からリンゴが落ちてくる。スモモの木の下のオオイタドリに止まるリンゴシジミ。
(2011年6月 北海道)
by temenos | 2015-12-16 23:17 | 2015年 | Comments(0)