O「ちょうこ(蝶のこと)かい?」 T「うん、珍しい種類がおるからね」 O「あんたらが言うから、これ(ツメレンゲ)抜かんと残しといたから」 T「ありがとうね、お婆ちゃん、この蝶だいぶ減ってきとんねん」 O「はぁ?ワシ耳つんぼ(不適切な言葉だが、実際の会話のまま)でよう聞こえん」 ??今までしゃべっていたではないか? T大きな声で「この蝶、珍しい種類やねん!」 O「ほうけ!どこにおるんや」 T蝶を指差し「この小さいやつ」 O「ほう、これけ。大きなるんか?」 どうやら成虫になっても大きくなると思っているらしい。 T「これで親や、これ以上大きくならんよ」 O「家の脇の石垣にもようけこれが生えてきたから見に来い」 といって無理やり案内してくれた。ツメレンゲがたくさん生えていたが、日当たりが悪くクロツはいない。 O「ほら、ここも、ここも、ここにも生えとる、けどちょうこ、おらんの」と寂しげに言う。 T「お婆ちゃん、飛んでくるから心配いらん」 など、蝶やツメレンゲのことから始まり、玄関で転んで腰を痛めた話など終わりそうもない。人恋しくて仕方が無いのであろう。 T「お婆ちゃん、草守ってくれてありがとね、けどもう行かなあかん」というと、瞬間顔が曇ったが、すぐに一本しかない歯を見せて人懐こく笑いながら「また、来てな」と家に入っていった。ほのぼのとした会話なのだが、お婆ちゃんの家を訪ねたわけではないのだ。限界集落へと向う山村の現状を垣間見て、胸が締め付けられる思いで現地を後にした。山里の素晴らしい景色は、昨年と寸分たりとも変わっていない。連綿と続いてきた、この日本の原風景を残していくことが出来るのだろうか。 (各画像はクリックすると拡大表示します)
クロツバメシジミ ツメレンゲの生える石垣で日光浴する。↓
クロツバメシジミ 羽化間も無いと思われる新鮮な個体。↓
クロツバメシジミ 上記個体を接写する。↓
ハンミョウ クロツの飛ぶ石垣の下の地面ですばやく飛び回る。↓
ツバメシジミ 東播磨の里山で。萩の周辺を多くの本種が飛び交っていた。↓
ツバメシジミ 開翅する矮小な♂。写真では大きさは伝わらない。↓
ウラギンスジヒョウモン 稲刈りの始まった水田を見下ろしながら、ヒヨドリバナで吸蜜する。↓
ウラギンスジヒョウモン アザミで吸密する。この個体は破損も少なくきれいだ。↓
キタキチョウ これも秋になると数多くなる。この場所にはカワラケツメイもあるので、もしやと思ったが・・・。↓
ルリシジミ 萩の蕾に産卵する。↓
イチモンジセセリ 秋になると大きく数を増やす蝶の代表種。↓
チャバネセセリ 播磨ではイチモンジセセリと互角の数である。↓
ヒメアカタテハ 新鮮な本種が目立つ季節になってきた。↓
ジョウザンミドリシジミ 林縁をよたよた飛んでいた♀、ボロボロのヨレヨレであった。↓
ベニシジミ 第2化はスレ個体がほとんど。終齢幼虫も見かけるので、10月半ばに3化が出るか?
モンシロチョウ 本州の4月のように多数が飛び交っている。ママコノシリヌグイで休息する。↓
モンキチョウ 求愛飛翔。もつれあって強制着陸させたが交尾にはいたらず。↓
オオウラギンスジヒョウモン ヒョウモンはかなり少なくなってきた。↓
ムモンアカシジミ セイタカアワダチソウで吸蜜する。↓
ムモンアカシジミ セイタカアワダチソウで吸蜜する。ちょっとスレているが大きな破損はみられない。↓
ムモンアカシジミ セイタカアワダチソウで吸蜜する。飛び立っても直ぐに戻ってきた。↓
ムモンアカシジミ ミゾソバで吸蜜する。↓
ムモンアカシジミ ミゾソバから飛び立った瞬間、朱一色のきれいな表翅。↓
オオウラギンスジヒョウモン やはり♀のほうが断然かっこいい。↓